企画展「生誕130年没後50年 『銀の匙』の作家 中勘助展」
2015年(平成27)は、代表作「銀の匙」で知られる作家、詩人・中勘助(1885~1965)の生誕130 年、没後50 年にあたります。本展は、この記念の年に際し、その生涯と業績を紹介するものです。勘助は、大正末から1932年(昭和7)まで8年近くにわたり平塚に居を構えた、神奈川にゆかりの深い文学者でもあります。
中勘助は、1885年(明治18)、東京・神田に生まれ、繊細で多感な少年時代を小石川で過ごしました。第一高等学校から東京帝国大学へと進んだ勘助は両校で、英国留学から帰国まもない夏目漱石の講義を聴きます。やがて文学の道を選んだ勘助は、幼少年時代の回想をもとにした小説「銀の匙」を執筆。作品は敬愛する師・漱石の賞賛を得て、1913年(大正2)、「東京朝日新聞」に連載されました。子どものまなざしと切実な思いに満ちあふれたこの作品は、その後も多くの読者の共感を呼び、今日まで読み継がれています。近年では、灘校教師・橋本武氏が行った、中学の3年間で「銀の匙」1冊を読み込む国語授業が大きな話題となり、新たな注目を集めています。
会場では、文壇と交わらず孤高の道を歩み、問題作「提婆達多」「犬」や童話「鳥の物語」、日々の暮らしと内省を綴った日記体随筆などの執筆を続けた中勘助の文学と、知友の人びととの交流の様子を数々の貴重資料によって紹介します。
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- 同時開催
常設展「文学の森へ 神奈川と作家たち 第1部 夏目漱石から萩原朔太郎まで」→詳細
(企画展と同時開催のため、 森鴎外・北村透谷・斎藤茂吉・高浜虚子 のコーナーの展示はありません。ご了承ください。)
- 【会期】
- 2015年(平成27年)5月30日(土)~7月20日(月・祝)
休館日は月曜日(7月20日は開館) - 【開館時間】
- 午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
- 【会場】
- 神奈川近代文学館第2展示室
- 【観覧料】
- 一般400円(300円)、65歳以上/20歳未満及び学生200円(150円)、高校生100円、中学生以下無料
*( )内は20名以上の団体料金
※東日本大震災の罹災証明書、被災証明書等の提示で無料 - 【主催】
- 県立神奈川近代文学館、公益財団法人神奈川文学振興会
- 【協力】
- 静岡市
- 【後援】
- NHK横浜放送局、FMヨコハマ、神奈川新聞社、tvk(テレビ神奈川)
- 【協賛】
- 岩波書店、東京急行電鉄、神奈川近代文学館を支援(サポート)する会
- 【広報協力】
- KAAT 神奈川芸術劇場
関連行事
記念講演会
2015年6月6日(土)「『銀の匙』の構造」 講師:加賀乙彦
2015年7月4日(土)「『銀の匙』の授業から学んだこと」 講師:黒岩祐治
記念朗読会
2015年7月11日(土)「『銀の匙』を読む」 出演:南谷朝子
※行事についての詳細は、催し物のページをご覧ください。
ギャラリートーク
2015年6月7日(日)、21日(日)、7月12日(日) 各日14:00~
会場=展示館1階エントランスホール
お問い合わせ
公益財団法人神奈川文学振興会
231-0862 横浜市中区山手町110 県立神奈川近代文学館内
TEL045-622-6666 FAX045-623-4841