吉屋信子(1896-1973)は1916年(大正5)、20歳で作家デビューし、大正、昭和を通じて、旺盛な活動を続けた人気作家です。とりわけ連作短編集『花物語』は、女学生を中心に熱狂的な支持を集め、日本文学史に少女小説という一ジャンルを築くに至りました。旧来の文壇で少女小説が相対的に低い地位にあったのは否めませんが、いま振り返ると、信子の生き方や作品は「一周回って最先端」というべき先取性に満ちたものでした。その際のキーワードが、女性同士の連帯や共生を意味する「シスターフッド(Sisterhood)」です。作中で多様な女性像や女性同士の関係を描き、自身も同性のパートナーと生涯をともにした信子は、まさにシスターフッドの源流に位置する作家でした。
神奈川近代文学館ではご遺族から受贈した資料約3,000点を吉屋信子文庫として保存し、また近年も新資料を含む追加寄贈を受けています。本展ではこれらの資料を中心に、吉屋信子の人生と作品に「女性同士の絆」という観点から新たな光を当て直します。(斎藤美奈子)
《会期中、「文豪ストレイドッグス」との記念コラボを実施します。詳細は、後日当ホームページ、公式Xなどでお知らせします。》
| 【会期】 | 2026年4月4日(土)~5月31日(日) 休館日:月曜日(5月4日は開館) |
|---|---|
| 【開館時間】 | 午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで) |
| 【会場】 | 神奈川近代文学館第2・3展示室 |
| 【観覧料】 | 一般800円(600円)、65歳以上・20歳未満及び学生400円(300円)、高校生100円(100円)、中学生以下は無料 *( )内は20名以上の団体料金 ※身体障害者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者手帳、戦傷病者手帳の交付を受けている方は、手帳もしくは、ミライロID の提示で無料(詳しくはお問い合わせください)にてご入場いただけます。事前の申請等は必要ありません。手帳の所持者及びその介助者(※2)の方は観覧料が無料となります。 ※2原則として手帳の所持者の介助者1名まで。ただし、手帳の所持者1名に対して2名以上介助者が必要な場合は事前にご相談ください。 |
| 【編集委員】 | 斎藤美奈子 |
| 【主催】 | 県立神奈川近代文学館、公益財団法人神奈川文学振興会 |
| 【後援】 | NHK横浜放送局、FMヨコハマ、神奈川新聞社、tvk(テレビ神奈川) |
| 【協賛】 | 国書刊行会、京急電鉄、相模鉄道、東急電鉄、横浜高速鉄道、神奈川近代文学館を支援する会 |
| 【広報協力】 | KAAT 神奈川芸術劇場 |
展示資料紹介

「婦人公論」1951年2月号に掲載
戦後の荒廃した世相を背景に、怪奇性、幻想性に富んだ作品を多数発表した時期の一作。第4回女流文学者賞受賞。

1928年6月30日
『現代長篇小説全集』(1928~1930年 新潮社)で得た莫大な収入で、1年間の欧州遊学を決断。日記に綴られた「私はタンクだ」から始まる詩に、洋行への強い思いを込めた。当館蔵・吉屋信子文庫

「少女倶楽部」1935年6月号に掲載
生後まもないころすり替えられ、まったく異なる境遇で育った二人の少女・千鶴子としのぶをめぐる物語。講談社蔵

当館蔵・吉屋信子文庫




