神奈川近代文学館と神奈川文学振興会
神奈川文学振興会は神奈川県立神奈川近代文学館を運営する組織として、開館に先立つ昭和57年(1982)に、県の出資により設立されました。設立発起人は、長洲一二知事と文学者である井上靖、尾崎一雄、小田切進、中村光夫です。以来振興会は文学関係者を中心に組織した理事・評議員により、文学館の運営を担って来ました。指定管理者制度が導入された平成18年(2006)からは、20年計4期にわたり指定管理者として文学館を運営しています。
2024年、文学館は開館40周年を迎えました。開館からのこの間、振興会は、130万点を超す文学資料を収集し、その保存と活用に取り組むとともに、展覧会や講演会、朗読会などを通して県民が文学に親しむ機会を創出し、文学と文字・活字文化の振興につとめてきました。振興会はこれからも、激動する社会の変化を見据え、文学館としての使命を果たすために積極的な事業展開を図っていきます。
神奈川文学振興会の概要
設立年月日 | (名称変更による新法人設立)2011年(平成23)4月1日 (旧法人設立)1982年(昭和57)4月1日 |
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設立目的 | 神奈川県にゆかりのある近代文学に関する 各種資料及び児童文学に関する各種資料を収集し、及び保存して、文学関係者及び神奈川県民 の利用に供することにより、文学の振興と文化の発展に寄与することを目的とする。 |
代表者氏名 | 理事長 荻野アンナ |
所在地 | 〒231-0862 横浜市中区山手町110 045-622-6666 |
基本財産 | 基本財産額 1億1,000万円(内5,300万円県出資、5,700万円財団出資) |
神奈川文学振興会設立の趣意
神奈川の地名は遠く「古事記」「万葉集」などの古典に見られますが、鎌倉時代以降神奈川はわが国の歴史上きわめて大きな役割を果し、文化の領域でも数々のすぐれた遺産がのこされています。
特に嘉永6年(1853年)のペリー来航以後は、新しい日本の思想・芸術などの一中心となり、日本の近代・現代文化の発展に寄与してきました。
中でも文学の分野では、すぐれた詩人・作家をはじめ、様々なジャンルにおいて、秀いでた仕事をのこした文学者が神奈川から出ています。また神奈川に住んで活躍した多くの文学者がいます。これらの文学者の原稿・創作ノート・日記・書簡・筆墨・遺品などの一部分は、日本近代文学館や県下の幾つかの図書館・記念館などに大切に収蔵されているものの、なお多くの貴重な関係資料がいたるところに散在し、埋れたままになっています。
神奈川県は、このような文化遺産を散逸から守り、県民の共有財産として収集整備し、広く県民の利用に供するため、財団法人日本近代文学館をはじめ、多数の文学者の協力を受け、また広く県民の支援を得て、県立神奈川近代文学館を設置することになりました。
この文学館では、神奈川にゆかりの深い各種の近代文学資料をはじめ、他のジャンルに比して整備のいちじるしく遅れている児童文学の諸文献などを収集保存し、広く展観に供します。
また文学館を拠点として、講演会や講座の開催、出版などの事業を行い、県民の文学に対する理解と関心を高め、個性的で文化の香り豊かな神奈川を創造してゆく活動の場として機能することができれば、極めて意義の深いものになると考えます。
しかし、この文学館をより効果的に運営し、文学愛好者はもとより、広く県民に活用され、親しまれるものとするためには、文学関係者がすすんでその運営に参画することが必要であります。
そこで、これらの事業を推進し、もって県民文化の振興と日本文化の発展に寄与することを目的としてここに財団法人神奈川文学振興会を設立するものです。
1982年1月25日
設立発起人 井上靖 尾崎一雄 小田切進 中村光夫 長洲一二
定款
役員等
公益財団法人神奈川文学振興会 役員・評議員名簿及び神奈川近代文学館懇話会名簿