古田足日シンポジウム
子どもの味方・子どもの見方 古田足日の仕事から考える
受付中

撮影・伊藤英治
古田足日(ふるた・たるひ)が亡くなって、来年で10年になります。作家として、また、評論家として児童文学に多大な足跡を残した古田は、大変な読書家でもありました。2020年、自宅に残された直筆原稿等が神奈川近代文学館に、そして、児童書を含む蔵書約3万3千点が白梅学園に遺贈されました。以降、白梅学園大学を中心としたプロジェクトチームは科研費の助成も受け遺贈資料の整理と研究を進めています。遺贈資料から改めて見えてくるのは、古田足日が「子ども」を思想の根本に据えていたこと、そして、常に子どもを見る目を問い続けていたということです。子どもの味方でありたいと思っている方々、子どもの見方を鍛えたいと思っている方々の多くのご参加をお待ちしております。
【報告】
「古田足日研究プロジェクトの“これまで”と“これから”」
―――仲本美央(白梅学園大学子ども学部・同大学院子ども学研究科教授)
「古田足日と国語教科書」
―――鬼頭七美(白梅学園大学子ども学部准教授)
「古田足日が生きていたら、ウクライナ情勢をどう語っていただろう」
―――西山利佳(青山学院大学コミュニティ人間科学部准教授)
「〈方法化された誠実〉を追って」
―――藤田のぼる(児童文学評論家・作家、日本児童文学者協会理事長)
コメンテーター=宮川健郎(大阪国際児童文学振興財団理事長、武蔵野大学名誉教授、(公財)神奈川文学振興会評議員)
司会=佐藤宗子(千葉大学名誉教授、(公財)神奈川文学振興会理事)
〈登壇者プロフィール〉
仲本美央(なかもと・みお)……白梅学園大学子ども学部・同大学院子ども学研究科教授。専門領域は保育学・幼児教育学。保育現場や家庭において絵本や本を読みあうことが子どもの育ちにどのような影響を与え、共に読みあう大人はどのような役割が必要なのかについて研究している。主な著書に『絵本から広がる遊びの世界 読みあう絵本』(2017年、風鳴舎)等。
鬼頭七美(きとう・なみ)……白梅学園大学子ども学部准教授。専門領域は日本近代文学。明治時代に家庭で読むにふさわしい小説として提唱された家庭小説について主に研究している。子ども向けの読みものや現代の教科書に載った名作などを取り上げる授業を担当している。主な著書に『「家庭小説」と読者たち―ジャンル形成・メディア・ジェンダー―』(2013年、翰林書房)。
西山利佳(にしやま・りか)……青山学院大学コミュニティ人間科学部准教授。専門領域は児童文学。児童文学や絵本を通して平和を考える授業などを担当している。古田と共に編集した本に『わたしたちのアジア・太平洋戦争』全3巻(2004年、童心社)などがある。評論集『〈共感〉の現場検証』(2011年、くろしお出版)。
藤田のぼる(ふじた・のぼる)……児童文学評論家・作家、日本児童文学者協会理事長。学生時代に古田足日の影響を受け、児童文学の評論・創作活動を開始。古田の主な活動拠点だった日本児童文学者協会で長く事務局長を務め、活動を共にした。主な著書に、『児童文学に今を問う』(1990年、教育出版センター)、『児童文学への3つの質問』(2001年、てらいんく)、創作作品に『みんなの家出』(2013年、福音館書店)など。
◆コメンテーター
宮川健郎(みやかわ・たけお)……大阪国際児童文学振興財団理事長。武蔵野大学名誉教授。専門領域は日本児童文学。著書に『現代児童文学の語るもの』(1996年、NHKブックス)など。田畑精一、西山利佳、藤田のぼるとともに『全集 古田足日子どもの本』の編集協力をつとめた。
◆司会
佐藤宗子(さとう・もとこ)……千葉大学名誉教授。専門領域は児童文学、比較文学。日本の児童文学における翻訳・再話や「現代児童文学」をめぐる問題などを追究。最近刊に『現代日本子ども読書史図鑑』(佐藤宗子・久米依子編、2023年、柊風舎)。
【日時】2023年11月25日(土)13:30開始(13:00開場)*終了は16時ころを予定しています。
【会場】神奈川近代文学館 展示館2階ホール(定員220名・全席自由)
参加無料・要申込
*未就学児の入場はご遠慮ください。
【申込方法】
電話(045-622-6666)または申込フォームでお名前・電話番号・参加人数をお知らせください。先着順で定員になり次第締め切ります。

『おしいれのぼうけん』
古田足日・田畑精一作 童心社
古田足日さんについて
1927年11月29日、愛媛県宇摩郡川之江町(現四国中央市)生まれ。2014年6月8日没。児童文学作家、評論家。1953年、早大童話会にて鳥越信、山中恒らと共に「「少年文学」の旗の下に!」を発表し、評論と創作の双方から現代児童文学を牽引する。画家田畑精一との共作絵本『おしいれのぼうけん』(1974年、童心社)は2012年に累計200万部を突破。1997年度から2001年度まで日本児童文学者協会会長を務める。『全集 古田足日子どもの本』全13巻+別巻1(1993年、童心社)ほか。追悼文集『古田足日さんからのバトン』(2015年、かもがわ出版)からは、古田の仕事の幅の広さを知ることができる。
ご来館の皆様へ
・入館前に手指の消毒をお願いします。
・発熱など、体調不良の方は入館をお控えくださるようお願いします。
・館内では大声での会話を控え、咳エチケット等の周囲の方へのご配慮をお願いします。
※当館主催イベントの会場内ではできるだけマスクを着用していただくようお願いします。
主催:白梅学園大学・白梅学園短期大学子ども学研究所 古田足日研究プロジェクト(JSPS科研費 JP20K02638)
共催:県立神奈川近代文学館、(公財)神奈川文学振興会
お問い合わせ
公益財団法人神奈川文学振興会 総務課
231-0862 横浜市中区山手町110 県立神奈川近代文学館内
TEL : 045-622-6666 FAX : 045-623-4841
問い合わせフォーム ※イベントのご予約は【申込方法】に記載の申込フォームで受付けております。