特別展「大岡昇平の世界展」

大磯の自宅で 1962年(昭和37)
日本の文学史上に大きな足跡を残し、昭和を代表する作家・大岡昇平(1909~1988)。若き日に小林秀雄、中原中也らと出会い、スタンダール研究家として知られた大岡は、1944年、35歳で出征し、九死に一生を得て帰還します。戦後、実体験をもとにした「俘虜記」で小説家デビュー、戦争文学の最高峰といわれる「野火」、ベストセラー「武蔵野夫人」を発表。その後もさまざまなジャンルの作品を手がけ、研究・評論・翻訳にも多くの業績を残しました。1967年には「レイテ戦記」の連載を開始、高い評価を得ています。本展では、ご遺族から当館に寄贈された「大岡昇平文庫」の資料を中心に、生き残った者としての責任を負いながら、一文学者として戦後日本を歩み続けた、その生涯を辿ります。
知識人である大岡が、一兵卒として体験した戦争。その透徹したまなざしが描き出した作品は、人間の根源的な問いを内包する、優れた世界文学として読みつがれています。戦後75年を迎える今、大岡作品が伝えるメッセージを改めて見つめ直す機会となれば幸いです。
- 【会期】
- 2020年10月3日(土)~11月29日(日) ※新型コロナウイルス感染拡大予防のため2020年3月20日(金・祝)~5月17日(日)を延期
休館日:月曜日(11月23日は開館) - 【開館時間】
- 午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
- 【会場】
- 神奈川近代文学館第2・3展示室
- 【観覧料】
- 一般700円(500円)、65歳以上/20歳未満及び学生350円(250円)、高校生100円(100円)、中学生以下は無料
*( )内は20名以上の団体料金
※身体障害者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は無料(詳しくはお問い合わせください) - 【編集委員】
- 湯川豊
- 【主催】
- 県立神奈川近代文学館、公益財団法人神奈川文学振興会
- 【後援】
- NHK横浜放送局、FMヨコハマ、神奈川新聞社、tvk
- 【協賛】
- 新潮社、中央公論新社、京急電鉄、相模鉄道、東急電鉄、横浜高速鉄道、神奈川近代文学館を支援(サポート)する会
- 【広報協力】
- KAAT 神奈川芸術劇場
*新型コロナウイルスの感染拡大状況により開催日時を変更する場合があります。また、感染予防のためご来館の際にはマスクの着用などにご協力をお願いいたします。その他の注意事項はお知らせに掲載してあります。ご来館前に必ずご参照ください。詳しくはお問い合わせください。
関連行事 ※行事についての詳細は、催し物のページをご覧ください。
記念講演会
2020年10月18日(日) 「『レイテ戦記』を読む」(※タイトルが「兵士の地理感覚と客観的世界像」から変更になりました) 講師:池澤夏樹 ※5月10日(日)を延期
2020年11月14日(土) 「さすらう離脱者」 講師:島田雅彦 ※4月29日(水・祝)を延期
2020年11月21日(土) 「大岡昇平文学の展開」 講師:湯川豊 ※4月18日(土)を延期
文芸映画を観る会
2020年11月6日(金)、7日(土) 「野火」(2014年、87分) 監督:塚本晋也 ※4月10日(金)、11日(土)を延期
同時上映 メイキング「塚本晋也解説『野火』20年の軌跡」(60分)
ギャラリートーク
2020年10月10日(土)、24日(土)、31日(土)、11月8日(日)、23日(月・祝)、28日(土)各日14:00~
参加無料・申込不要(要展示観覧料)
会場=展示館2階ホール
お問い合わせ
公益財団法人神奈川文学振興会
231-0862 横浜市中区山手町110 県立神奈川近代文学館内
TEL045-622-6666 FAX045-623-4841