没後20年 高見順展

没後20年 高見順展

写真・土門拳

この構想は、高見氏の夢の生成過程での小説美学上の思い付きの提供者でもあり、その夢の中絶の苦しみの訴えられの相手でもあった、後輩たる私の氏に対する追慕の念の表現であると共に、必ずしも広くは知られていなかった、あるべきはずの氏の全体像の幻の公開ともなることを願って試みられたものである。(中村真一郎・本展責任編集)

高見順は「如何なる星の下に」「故旧忘れ得べき」などによって昭和10年代に“高見順の時代”を築き、18年からは北鎌倉に住んで「今ひとたびの」「わが胸の底のここには」、詩集「死の淵より」などの名作を生んだ。晩年、昭和史を描く連作の構想を企て、「激流」「いやな感じ」「大いなる手の影」を発表したが、昭和38年ガンに倒れ、連作は完成に至らなかった。あとに残された大量の草稿、創作ノート、日記、スケッチブックをもとにその足跡をたどり、果たされなかった夢を実現しようとする、昭和文学の歴史を生きた作家の生々しい豊富な資料の展観である。

【会期】
1985年(昭和60年)9月13日(金)~10月13日(日)
【観覧料】
一般300円(210円)、学生150円(100円)*( )内は20名以上の団体料金
【責任編集】
中村真一郎
【主催】
県立神奈川近代文学館、財団法人神奈川文学振興会


お問い合わせ

公益財団法人神奈川文学振興会
231-0862 横浜市中区山手町110 県立神奈川近代文学館内
TEL045-622-6666  FAX045-623-4841

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