特別展「帰って来た橋本治展」

写真提供・新潮社
平成の時代とともにその生涯を終えた橋本治が、令和6年春、横浜に帰って来ます―――
橋本治(1948~2019)は、1977年に高校生の日常を描いた「桃尻娘」で小説家としてデビューし、それまでにないスタイルと内容で世間に衝撃を与えました。すでにイラストレーターとして活躍していた橋本は、以後、小説執筆と併行して、恋愛や性、家族、時代を論じ、舞台やイベントを演出し、セーターの編み方を教え、古典をひもとくなど、八面六臂の活躍を繰り広げました。どんな未知の分野にもひるまず分け入った橋本の原動力は「わからない」ことを解明したいという思いだったといいます。その成果は膨大な数の著作となって、我々に大きな〈恵み〉をもたらし続けています。
当館は、2019年以降、橋本治の直筆原稿をはじめとする資料をご家族、ご関係の方々から寄贈いただき〈橋本治文庫〉として保存しています。本展は、時代を先取りし、さらに、人間と人間の生きた時代を描きだそうとした橋本の生涯を、所蔵資料を中心にたどります。
「桃尻娘」シリーズの最終章は、当館のある港の見える丘公園で、未来への希望を示唆して締めくくられます。この地で、帰って来た橋本治の新たな一面に触れていただければ幸いです。
- 【会期】
- 2024年3月30日(土)~6月2日(日)
休館日:月曜日(4月29日、5月6日は開館) - 【開館時間】
- 午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
- 【会場】
- 神奈川近代文学館第2・3展示室
- 【観覧料】
- 一般700円(500円)、65歳以上・20歳未満及び学生350円(250円)、高校生100円(100円)、中学生以下は無料
*( )内は20名以上の団体料金
※身体障害者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者手帳、戦傷病者手帳の交付を受けている方は、手帳もしくは、ミライロID の提示で無料(詳しくはお問い合わせください)にてご入場いただけます。事前の申請等は必要ありません。手帳の所持者及びその介助者(※2)の方は観覧料が無料となります。
※2原則として手帳の所持者の介助者1名まで。ただし、手帳の所持者1名に対して2名以上介助者が必要な場合は事前にご相談ください。 - 【編集委員】
- 松家仁之
- 【主催】
- 県立神奈川近代文学館、公益財団法人神奈川文学振興会
- 【後援】
- NHK横浜放送局、FMヨコハマ、神奈川新聞社、tvk
- 【協賛】
- 新潮社、中央公論新社、京急電鉄、相模鉄道、東急電鉄、横浜高速鉄道、神奈川近代文学館を支援(サポート)する会
- 【広報協力】
- KAAT 神奈川芸術劇場
※本展は会期中、一部の展示物、展示箇所の変更を行います。【前期:3月30日(土)~4月30日(火)/後期:5月1日(水)~6月2日(日)】
本展関連イベント ※行事についての詳細は、 催し物のページをご覧ください。
※申込み方法、料金等は、「催し物」ページから各行事の詳細ページを開いてご確認ください→「催し物」ページ
講演と対談
2024年4月20日(土) 「冗談と真情と」 講師:松家仁之(作家、本展編集委員)、対談出演:柴岡美恵子(橋本治妹)
講演会
2024年5月3日(金・祝) 「橋本治という時代」 講師:橋爪大三郎(社会学者)
記録映像上映会
2024年5月25日(土) 「豪華本『マルメロ草紙』はこうして生まれた―知られざる8年間の闘い―」(2024年 テレビマンユニオン カラー 80分)
企画:刈部謙一/撮影・構成・編集:浦谷年良 映像出演:橋本治、岡田嘉夫ほか
アフタートーク出演:浦谷年良、松家仁之
スライドトーク(職員による展示説明)
会期中の毎週金曜日(5月3日を除く) 14:00~ 参加無料(要展示観覧料)・申込不要
会場=展示館1階エントランスホール
機関紙164号
機関紙「神奈川近代文学館」164号(2024年4月1日発行)に本展への寄稿が掲載されています。
- 若き日の橋本治―馬渕明子
- 港の見える丘に立って―千木良悠子
- 幻の「桃尻娘」応募原稿―展覧会場から
お問い合わせ
公益財団法人神奈川文学振興会
231-0862 横浜市中区山手町110 県立神奈川近代文学館内
TEL045-622-6666 FAX045-623-4841