常設展「文学の森へ 神奈川と作家たち 第3部 太宰治、三島由紀夫から現代まで」
敗戦直後の混沌とした時代に「無頼派」の名で一世を風靡した太宰治、坂口安吾。戦後の繁栄と平和のなか自らの虚無に殉じた三島由紀夫。古今の書物を繙き、歴史の闇に埋もれた存在に光を当てた澁澤龍彦ら9人の作品世界を、それぞれの神奈川ゆかりと共に紹介します。また最後のコーナー「現代を表現する―湘南、ヨコハマ、そして郊外」では、五木寛之、村上龍ら6人の現代作家が同時代の神奈川を描いた作品にもスポットを当てます。
※会期中は「文豪ストレイドッグス」(原作:朝霧カフカ 漫画:春河35)とのコラボレーション企画を実施します。→詳細
- 【会期】
- 2024年2月6日(火)~3月24日(日)
休館日:月曜日(2月12日は開館) - 【開館時間】
- 午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
- 【会場】
- 神奈川近代文学館第2、3展示室
- 【観覧料】
- 一般260円(160円)、20歳未満・学生160円(110円)、65歳以上110円(110円)、高校生100円(100円)、中学生以下無料
*( )内は20名以上の団体料金
※身体障害者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者手帳、戦傷病者手帳の交付を受けている方は、手帳もしくは、ミライロID の提示で無料(詳しくはお問い合わせください)にてご入場いただけます。事前の申請等は必要ありません。手帳の所持者及びその介助者(※2)の方は観覧料が無料となります。
※2原則として手帳の所持者の介助者1名まで。ただし、手帳の所持者1名に対して2名以上介助者が必要な場合は事前にご相談ください。 - 【編集委員】
- 富岡幸一郎
- 【主催】
- 県立神奈川近代文学館、公益財団法人神奈川文学振興会
- 【協賛】
- 横浜高速鉄道、神奈川近代文学館を支援(サポート)する会
作家と神奈川との主な関連事項、ゆかりの作品
作家名 | 関連事項 | ゆかり作品 |
---|---|---|
太宰 治 | 戦前、鎌倉で自殺未遂。終戦後、小田原郊外・下曽我(「斜陽」の舞台のモデル)に滞在。 | 「葉」「道化の華」「虚構の春」「東京八景」「右大臣実朝」「斜陽」「人間失格」 |
坂口安吾 | 三十代半ば、小田原を放浪。 | 「イノチガケ」「真珠」 |
島尾敏雄 | 横浜に生まれ、同地で幼少期を送る。晩年、茅ケ崎に居住。 | 『幼年記』「格子の眼」「魚雷艇学生」 |
大岡昇平 | 戦前、鎌倉に下宿。戦後、鎌倉、大磯に住む。 | 「俘虜記」「武蔵野夫人」「野火」「花影」「事件」「レイテ戦記」 |
安部公房 | 晩年、元箱根の山荘を仕事場とする。 | 「方舟さくら丸」「カンガルー・ノート」「飛ぶ男」 |
三島由紀夫 | 戦時下、勤労動員で高座海軍工廠の寮に入る。戦後、箱根に新婚旅行。 | 「午後の曳航」「豊饒の海」 |
澁澤龍彦 | 終戦後、鎌倉に移り終生住む。墓所は鎌倉・浄智寺。 | 「サド復活」「唐草物語」「きらら姫」「高丘親王航海記」 |
山本周五郎 | 幼少期と後半生を横浜に送り、本牧の仕事場で死去。鎌倉霊園に眠る。 | 「樅ノ木は残った」「赤ひげ診療譚」「五辨の椿」「青べか物語」「季節のない街」「さぶ」 |
開高 健 | 四十代半ばで茅ケ崎に移転、終生住む。墓所は鎌倉・円覚寺松嶺院。 | 「オーパ!」「耳の物語」「珠玉」 |
石原慎太郎 | 少年時代から三十代まで逗子に住む。 | 「太陽の季節」「狂った果実」「わが人生の時の時」「弟」 |
庄野潤三 | 川崎郊外に居住。 | 「夕べの雲」「絵合せ」「明夫と良二」 |
五木寛之 | 横浜に居住。 | 「海を見ていたジョニー」「凍河」 |
村上 龍 | 横浜郊外に住み、箱根に別荘を持つ。 | 「コインロッカー・ベイビーズ」「テニスボーイの憂鬱」「五分後の世界」「希望の国のエクソダス」 |
島田雅彦 | 4歳から川崎郊外で育ち以降も居住。 | 「優しいサヨクのための嬉遊曲」「忘れられた帝国」「子どもを救え!」 |
柳 美里 | 横浜で生まれ育つ。鎌倉に一時居住。 | 「フルハウス」「水辺のゆりかご」「ゴールドラッシュ」「交換日記」 |
お問い合わせ
公益財団法人神奈川文学振興会
231-0862 横浜市中区山手町110 県立神奈川近代文学館内
TEL045-622-6666 FAX045-623-4841