馥郁タル火夫ヨ 生誕100年 西脇順三郎 その詩と絵画

写真=川辺信一
『超現実主義詩論』(1929)『Ambarvalia(アムバルワリア)』(1933)によってモダニズム詩の先駆者となった西脇順三郎(1894-1982)は、戦後『旅人かへらず』(1947)で東洋的な詩境を開き、『近代の寓話』(1953)『失われた時』(1960)をはじめ最晩年の『人類』(1979)に至るまで、半世紀にわたって数々の珠玉の詩集を世に送り続けました。また十代のころ画家を志して藤島武二に師事したことがあり、晩年まで絵筆を執り続け、多くの油彩画・水彩画・水墨画を残しています。自由な筆致と透明な色彩を持つ西脇の絵画は詩の世界に通じる感性に貫かれ、豊かな魅力に溢れています。
本展は西脇順三郎の生誕100年を記念して、その生涯を編年体で展観し、文学・美術の両面から西脇の芸術世界に迫ろうとするものです。長く所在が知られていなかった『Ambarvalia』詩稿ノート(初公開資料)、『旅人かへらず』詩稿ノート、西脇が中心となって出された日本最初のシュルレアリスム・アンソロジー『馥郁タル火夫ヨ』などの文学資料約500点、留学中に描いたロンドン風景画、自らの詩をイメージした作品、生まれ故郷小千谷やイタリア旅行に取材した風景画、自由闊達な境地の水墨画など、未公開のものを含む詩人の謎と魅力にとんだ絵画約100点、総出品数600点による多彩な展示です。
【会期】
1994年(平成6年)5月28日(土)~7月3日(日)
【観覧料】
一般770円(660円)、学生610円(480円)、65歳以上・高校生以下無料*( )内は20名以上の団体料金
【展覧会委員】
*粟津則雄、安東伸介、飯島耕一、*飯田義國、池田満寿夫、大岡信、岡田隆彦、渋沢孝輔、那珂太郎、中村真一郎、*新倉俊一、西脇順一(*は実行委員)
【編集協力】
大倉宏
【主催】
県立神奈川近代文学館・財団法人神奈川文学振興会、神奈川県立近代美術館(会場)
【後援】
小千谷市教育委員会、朝日新聞社、神奈川新聞社
お問い合わせ
公益財団法人神奈川文学振興会
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