特別展「泉鏡花展―水の迷宮」

絵=須貝稔/挿絵=岡田三郎助画『草迷宮』口絵
デザイン=芦澤泰偉
「高野聖」「婦系図」など数々の名作でしられる泉鏡花は、1873年(明治6)、金沢で生まれました。長じて硯友社の尾崎紅葉に師事し、江戸文芸の情緒を色濃く受け継ぐ浪漫的な文体で独自の世界を築いて行きます。熱烈な読者がありながらも、日本近代文学史上では、ともすれば文壇の傍流に位置づけられてきた鏡花ですが、近年にいたって再評価の気運が高まり、その幻想的な文学世界は様々な視点からとらえられつつあります。
本展では、鏡花の自筆原稿、美しい装幀・口絵に飾られた単行本、遺愛品、鏑木清方、小村雪岱らによる鏡花作品関連の絵画等、豊富な資料によってその66年の生涯と作品をたどります。特に神奈川におけるゆかりの地・逗子に滞在中に執筆された「春昼」「春昼後刻」「草迷宮」に焦点を当て、また鏡花文学に繰り返し登場する〈水〉のイメージにも注目しながら作品世界の深層を探っていきます。
【会期】
1995年(平成7年)4月22日(土)~5月28日(日)
【観覧料】
大人500円(350円)、学生300円(200円)、65歳以上・高校生以下無料*( )内は20名以上の団体料金
【編集委員】
村松定孝、川村二郎、種村季弘、松村友視
【編集協力】
大倉宏
【主催】
県立神奈川近代文学館、財団法人神奈川文学振興会
【後援】
慶應義塾大学
お問い合わせ
公益財団法人神奈川文学振興会
231-0862 横浜市中区山手町110 県立神奈川近代文学館内
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