特別展「大岡昇平展」
大岡昇平は、1909年(明治42)東京牛込に生まれ、小林秀雄、中原中也らとの交友の内に文学的青春を送りました。1944年(昭和19)、フィリピン・ミンドロ島に出征。過酷な戦場体験を経て戦後復員し、「俘虜記」「野火」「武蔵野夫人」などを発表、作家として出発します。国家・戦争と人間の関係を追求する大岡は、その後も「レイテ戦記」「事件」「ながい旅」「境港攘夷始末」などの大作、問題作を発表し続け、昭和の終焉の直前、1988年12月に79歳で世を去りました。
本展では大岡の作品群を(1)自伝・評伝小説(2)戦記小説(3)現代小説・評論(4)歴史小説という主要ジャンルごとに紹介し、作家活動の全貌を俯瞰する構成をとっています。代表作の直筆原稿や激しい推敲の跡をとどめる訂正本、執筆資料などのほか、書簡、遺愛品、強い影響を受け評伝にも描いた富永太郎、中原中也の詩稿など数多くの貴重資料によって、大岡文学の世界を浮き彫りにしていきます。
【会期】
1996年(平成8年)10月19日(土)~11月24日(日)
【観覧料】
大人500円(350円)、学生300円(200円)、65歳以上・高校生以下無料*( )内は20名以上の団体料金
【主催】
県立神奈川近代文学館、財団法人神奈川文学振興会
お問い合わせ
公益財団法人神奈川文学振興会
231-0862 横浜市中区山手町110 県立神奈川近代文学館内
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