特別展「広津柳浪・和郎・桃子展―広津家三代の文学―」

広津柳浪・和郎・桃子は親子三代にわたり文学の道を歩みました。柳浪(1861~1928)は深刻、悲惨小説と呼ばれる作風で明治文壇に一時代を築き、「今戸心中」「雨」などの名作を残しています。その次男・和郎(1891~1968)は大正初期から「神経病時代」などの小説や評論で近代知識人の姿を鋭く描き、独特の〈散文精神〉に基づくヒューマニズムは、松川事件被告の無罪判決の原動力となりました。和郎の長女・桃子(1918~1988)は祖父や父への追憶を、いくつもの品格ある短編にまとめています。
広津家最後の人・桃子の没後、広津家に残された6,400点に及ぶ文学資料は当館に寄贈され、「広津柳浪・和郎・桃子文庫」として一括保存されています。柳浪没後70年、和郎没後30年、桃子没後10年を迎える本年、同文庫を初めて本格的に公開するとともに、三人の“親子であり文学者である”ドラマにスポットをあてながら広津家三代の文学を紹介します。
【会期】
1998年(平成10年)4月11日(土)~5月17日(日)
【観覧料】
大人500円(350円)、学生300円(200円)、65歳以上・高校生以下無料*( )内は20名以上の団体料金
【編集委員】
阿川弘之、中島国彦、橋本迪夫、松原新一
【主催】
県立神奈川近代文学館、財団法人神奈川文学振興会
お問い合わせ
公益財団法人神奈川文学振興会
231-0862 横浜市中区山手町110 県立神奈川近代文学館内
TEL045-622-6666 FAX045-623-4841