特別展「永井荷風展」
永井荷風(1879-1959)は、東京の小石川に生まれました。青年期にアメリカ、フランスへ遊学、帰国後は「すみだ川」「冷笑」などの作品を次々に発表し、耽美派文学の旗手として文壇に新風を吹き込みます。多感な時期に西洋文明に接し、その伝統に深い感銘をうけた荷風は、近代日本の浅薄な文化への嫌悪から、次第に江戸情緒への憧憬を深め、古きよき日本の姿を筆にとどめるべく、数々の名作を発表しました。
本展は荷風生誕120年、没後40年を記念し、80年に及ぶその個性的な生涯を編年的にたどるものです。発禁となった『ふらんす物語』をはじめとする稀覯本、近代日本文学の最高峰「断腸亭日乗」ほかの自筆資料、書画や遺品など約500点の展示資料を通じて、荷風文学の世界と人間・荷風の実像に迫ります。また、「冷笑」執筆の背景となった逗子にも光を当て、神奈川との関わりについても紹介します。
【会期】
1999年(平成11年)10月2日(土)~11月7日(日)
【観覧料】
大人600円(400円)、学生300円(200円)、65歳以上・高校生以下無料*( )内は20名以上の団体料金
【編集委員】
近藤信行、竹盛天雄、安岡章太郎
【主催】
県立神奈川近代文学館、財団法人神奈川文学振興会
お問い合わせ
公益財団法人神奈川文学振興会
231-0862 横浜市中区山手町110 県立神奈川近代文学館内
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