企画展「生誕80年『開高健の世界』展」
大阪に生まれの作家・開高健(1930~1989)は、寿屋(現・サントリー)勤務時代に上京、1957年(昭和32)8月発表の「パニック」で脚光を浴び、同年末に発表した「裸の王様」で第38回芥川賞を受賞しました。その後1964年から翌年にかけてベトナム戦争に従軍取材した開高は、自らの戦争観・死生観をはげしく揺さぶられる体験をし、それを生涯にわたる文学の源泉として「輝ける闇」(1968)、「夏の闇」(1971)などの名作を生み出しました。1970年代以降は「フィッシュ・オン」「オーパ!」をはじめとする釣魚紀行でさらに幅広い読者を獲得しますが、小説においてもノンフィクションにおいても常に物語の核心をつかんで作品に刻み込む執筆スタイルは不変でした。1989年(平成元)、開高は絶筆「珠玉」を残して58歳の若さで亡くなり、1974年から暮らした茅ヶ崎市東海岸の家は現在茅ヶ崎市開高健記念館となっています。開高の生誕80年を記念して開催する本展は、記念館を運営する開高健記念会と、県内ゆかりの文学者として開高健資料の収集を続けてきた神奈川近代文学館との共催による〈文学館交流展〉です。近年見つかった多くの原稿、書簡や遺愛品をもとに、鋭い洞察力と豊かで魅力的な言葉にあふれた「開高健の世界」を見つめ直します。
- 【会期】
- 2010年(平成22年)6月12日(土)~8月1日(日)
- 【観覧料】
- 一般400円(300円)、20歳未満及び学生200円(150円)、高校生以下・65歳以上無料*( )内は20名以上の団体料金
- 【主催】
- 県立神奈川近代文学館・財団法人神奈川文学振興会、NPO法人開高健記念会
- 【後援】
- NHK横浜放送局、神奈川新聞社、tvk(テレビ神奈川)
- 【協賛】
- サントリー、朝日新聞出版、光文社、集英社、新潮社、筑摩書房、文藝春秋、京浜急行電鉄、相模鉄道、東京急行電鉄、神奈川近代文学館を支援(サポート)する会
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