特別展「没後15年 遠藤周作展―21世紀の生命(いのち)のために」

写真=稲井勲
1955年(昭和30)「白い人」で芥川賞を受賞した遠藤周作(1923~1996)は、「沈黙」「深い河」などの作品で、多くの読者に感動を与えました。切支丹禁制下の長崎を舞台とした「沈黙」は〈神の沈黙〉を主題とした作品と解釈されることが多い作品ですが、遠藤はここで、どこまでも人間の嘆きに寄り添い共に苦しむ〈人生の同伴者〉としての神の姿を描きました。
宗教を主題とし本来特異な存在であるはずの遠藤文学が、多くの読者に支持されるのは、そこに、遠藤自身の人生の哀しみと、人間の弱さへの共感があるからです。没後15年を記念して開催する本展では、遠藤周作の生涯と文学を日記、書簡、原稿などの肉筆資料でたどるとともに、混迷する21世紀を生きる私たちへ、時代を超え遠藤が投げかけるメッセージの意味を改めて問います。
- 【会期】
- 2011年(平成23年)4月23日(土)~6月5日(日)
- 【観覧料】
- 一般600円(400円)、65歳以上/20歳未満及び学生300円(200円)、高校生100円、中学生以下無料*( )内は20名以上の団体料金
- 【編集委員】
- 加藤宗哉、富岡幸一郎
- 【主催】
- 県立神奈川近代文学館、公益財団法人神奈川文学振興会
- 【後援】
- 長崎市遠藤周作文学館、町田市民文学館ことばらんど、NHK横浜放送局、神奈川新聞社、tvk(テレビ神奈川)
- 【協賛】
- 講談社、集英社、新潮社、京浜急行電鉄、相模鉄道、東京急行電鉄、横浜市交通局、神奈川近代文学館を支援(サポート)する会
お問い合わせ
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