神奈川近代文学年表 昭和20年8月~30年
8月17日 | 川端康成(46)、鎌倉養生院で島木健作の死に立ち合う。8月23日、鎌倉文庫で告別式。 | 『川端康成全集』35巻年譜 |
9月 | 川端康成(46)、静岡で戦災に遭い鎌倉に引き揚げて来た家主・蒲原有明と翌年の10月の転居まで同居。 | 『川端康成全集』35巻年譜 |
10月21日 | 高浜虚子(71)、鎌倉での句会に出席。 | 『定本 高浜虚子全集』別巻研究年表 |
11月 | 川崎長太郎(43)、終戦後、内地に帰還、小田原の物置小屋に戻る。 | 『川崎長太郎書誌』 |
1月27日 | 三島由紀夫(21)、鎌倉・二階堂の川端康成を初めて訪問、「中世」「煙草」の原稿を持参する。その後、たびたび川端を訪問。 | 『決定版 三島由紀夫全集』42巻年譜 |
2月 | 山本周五郎(42)、横浜市中区本牧元町に転居。(1月、吉村きんと結婚) | 当館『没後50年 山本周五郎展』図録年譜 |
3月31日 | 高見順(39)、武田麟太郎の臨終に片瀬の仮寓先で立ち会う。 | 『高見順全集』別巻年譜 |
3月頃 | 吉川英治(53)、横浜蓮光寺住職・本多興学を訪ねる。 | 当館『吉川英治展』図録 |
6月中旬 | 大岡昇平(36)、鎌倉に小林秀雄を訪ね「俘虜記」を見せる。 | 『大岡昇平全集』23巻年譜 |
8月 | 川端康成(47)、鎌倉市・浄智寺で島木健作一周忌。 | 『川端康成 詳細年譜』 |
8月 | 小林秀雄(44)、水道橋のプラットホームから転落、約50日間、湯河原で静養。 | 『小林秀雄全集』年譜 |
9月 | 川端康成(47)、鎌倉・香風園で鎌倉文庫一周年記念の会。 | 『川端康成 詳細年譜』 |
10月 | 川端康成(47)、鎌倉市長谷に転居、そこに終生住む。 | 『川端康成全集』35巻年譜 |
月日未詳 | 渋沢龍彦(18)、鎌倉市雪ノ下の伯父宅の離れに転居、しばらくして小町の東勝寺橋たもとへ転居。 | 『渋沢龍彦全集』別巻2年譜 |
1月2日 | 三島由紀夫(21)、年始挨拶のため鎌倉・長谷の川端康成宅を訪問。以後、ほぼ毎年、訪問。 | 『決定版 三島由紀夫全集』42巻年譜 |
2月21日 | 太宰治(37)、足柄下郡下曽我の大雄山荘に太田静子を訪問。24日には下曽我村谷津に住む尾崎一雄を訪問。 | 『太宰治全集』13巻年譜 |
2月24日 | 尾崎一雄(47)、太宰治が太田静子と小田原市下曽我の自宅を訪問。 | 『尾崎一雄全集』15巻年譜 |
3月 | 立原正秋(21)、横須賀市衣笠の米本宅で光代との結婚生活に入る。 | 当館『立原正秋展』図録年譜 |
3月 | 阿部昭(12)、藤沢市第一国民学校(現・藤沢小学校)最後の卒業生として卒業。 | 『阿部昭全集』14巻年譜 |
3月 | 安部公房(23)、結婚後、友人の箱根・強羅の別荘などに住む。 | 『安部公房評伝年譜』 |
4月 | 阿部昭(12)、藤沢市立第一中学校に入学。 | 『阿部昭全集』14巻年譜 |
5月 | 川端康成(47)、北海道出版文化祭のため横浜港から氷川丸で出発。 | 『川端康成 詳細年譜』 |
8月8日 | 尾崎一雄(47)、丹羽文雄、井上友一郎が小田原市下曽我の自宅を訪問。 | 『尾崎一雄全集』15巻年譜 |
11月6日 | 尾崎一雄(47)、檀一雄が戦後初めて小田原市下曽我の自宅を訪問。 | 『尾崎一雄全集』15巻年譜 |
1月3日 | 尾崎一雄(48)、宮内寒弥、平野謙が小田原市下曽我の自宅を訪問。 | 『尾崎一雄全集』15巻年譜 |
2月 | 高見順(41)、鎌倉・稲村ヶ崎に仕事部屋を借りる。 | 『高見順全集』別巻年譜 |
6月 | 高見順(41)、胸部疾患で鎌倉・額田のサナトリウムに入院。(11月退院) | 高見順全集』別巻年譜 |
6月 | 小林秀雄(46)、鎌倉市雪ノ下に転居。 | 『小林秀雄全集』年譜 |
7月26日 | 斎藤茂吉(66)、箱根・強羅の別荘滞在を再開。次男・宗吉(北杜夫)が付き添う。9月9日まで滞在。 | 当館『斎藤茂吉展図録』年譜 |
7月31日 | 立原正秋(22)、7月9日、長男・潮誕生。31日、米本光代との婚姻届が受理され、米本家に入籍、日本国籍を得る。 | 当館『立原正秋展』図録年譜 |
8月1日 | 尾崎一雄(48)、井伏鱒二、伊馬春部、今官一が小田原市下曽我の自宅を訪問。井伏は駅前旅館に宿泊。 | 『尾崎一雄全集』15巻年譜 |
夏 | 渋沢龍彦(20)、新太陽社の編集者(アルバイト)として鎌倉市浄明寺の林房雄の家を訪ね、そこで今日出海と会う。 | 『渋沢龍彦全集』別巻2年譜 |
11月19日 | 大岡昇平(39)、鎌倉市雪ノ下の小林秀雄宅の離れに転居。 | 『大岡昇平全集』23巻年譜 |
月日未詳 | 山本周五郎(45)、横浜市中区間門町の旅館「間門園」を仕事場として使い始める。 | 当館『没後50年 山本周五郎展』図録年譜 |
月日未詳 | 高見順(41)、鎌倉アカデミアの講師となり、週1回出講。 | 『高見順全集』別巻年譜 |
1月5日 | 尾崎一雄(49)、中野重治、上林暁が小田原市下曽我の自宅を訪問。 | 『尾崎一雄全集』15巻年譜 |
5月19日 | 尾崎一雄(49)、林芙美子が小田原市下曽我の自宅を訪問。 | 『尾崎一雄全集』15巻年譜 |
7月19日 | 斎藤茂吉(67)、箱根・強羅の別荘に北杜夫と9月15日まで滞在。 | 『斎藤茂吉全集』26巻年譜 |
7月下旬 | 大岡昇平(40)、鎌倉市極楽寺に転居(翌年5月頃、同じ極楽寺内で転居)。 | 『大岡昇平全集』23巻年譜 |
7月 | 高見順(42)、箱根・仙石原に転地療養。 | 『高見順全集』別巻年譜 |
2月19日 | 坂口安吾(43)、小田原競輪で遊び、「安吾巷談」執筆のため選手たちに取材。 | 『坂口安吾集』別巻年譜 |
4月 | 獅子文六(56)、大磯町西小磯に長女・巴絵と転居(33年12月まで住む)。 | 『牡丹の花』年表 |
4月 | 阿部昭(15)、県立湘南高校に入学。 | 『阿部昭全集』14巻年譜 |
6月 | 堀口大學(58)、葉山町一色に転居、終生住む。 | 『堀口大學全集』9巻年譜 |
7月14日 | 斎藤茂吉(68)、箱根・強羅の別荘に北杜夫と9月7日まで滞在。滞在。心臓喘息の徴候が出て、最後の箱根行きとなる。 | 『斎藤茂吉全集』26巻年譜 |
7月17日 | 三島由紀夫(25)、「青の時代」執筆のため箱根・強羅に行く。中強羅・照本旅館に宿泊。 | 『決定版 三島由紀夫全集』42巻年譜 |
7月22日 | 高浜虚子(76)、鎌倉・虚子庵で東西稽古会を催す。 | 『定本 高浜虚子全集』別巻研究年表 |
7月 | 川端康成(51)、呉清源九段と橋本宇太郎本因坊の十番碁対局第一局を箱根で観戦。強羅・環翠楼で執筆、三島由紀夫に会う。 | 『川端康成 詳細年譜』 |
8月 | 志賀直哉(67)、箱根・芦の湯の紀伊国屋に避暑。 | 『志賀直哉全集』22巻年譜 |
秋 | 立原正秋(24)、鎌倉市大町に移る。 | 当館『立原正秋展』図録年譜 |
月日未詳 | 高見順(43)、逗子に仕事場を借り北鎌倉の自宅から通う(27年初めまで)。夏は箱根・仙石原に滞在(30年まで)。 | 『高見順全集』別巻年譜 |
6月3日 | 大岡昇平(42)、鎌倉市極楽寺の大岡邸で鉢の木会。福田恆存、中村光夫、三島由紀夫、神西清が集まる。 | 当館『大岡昇平の世界展』図録 |
12月25日 | 三島由紀夫(26)、初の海外旅行のため横浜・大桟橋を出港。 | 『決定版 三島由紀夫全集』42巻年譜 |
月日未詳 | 中里恒子(41)、夫と別居し、逗子で長女・圭子と二人の生活に入る。31年、離婚が成立。 | 『中里恒子全集』18巻年譜 |
1月8日 | 大岡昇平(42)、湯河原で「野火」を加筆訂正する。15日まで滞在。 | 『大岡昇平全集』23巻年譜 |
3月 | 川端康成(52)、鎌倉・映画館「市民座」で行われた久米正雄の文芸春秋社葬(葬儀委員長・里見弴)に列席。 | 『川端康成 詳細年譜』 |
3月 | 石原慎太郎(19)、県立湘南高校を卒業。 | 志村有弘編『石原慎太郎を知りたい 石原慎太郎事典』年譜 |
6月 | 渋沢龍彦(24)、鎌倉在住の学生を中心とした「新人評論」を創刊。 | 当館『渋沢龍彦回顧展』図録略年譜 |
7月28日 | 大岡昇平(43)、箱根・姥子温泉で「酸素」創作ノートを書く。 | 『大岡昇平全集』23巻年譜 |
7月 | 渋沢龍彦(24)、友人・武井宏と新宿御苑で巴里祭を開く。(以後巴里祭は鎌倉で数回開かれる) | 当館『渋沢龍彦回顧展』図録略年譜 |
9月 | 立原正秋(26)、母の婚家先の野村家が横須賀から鎌倉市小町に移り、立原一家も同居する。この頃、湘南地区の若手の文学・美術青年の集い「日の会」に出席するようになる。 | 当館『立原正秋展』図録年譜 |
11月 | 川端康成(53)、芸術院賞受賞を祝う鎌倉市の表彰式。中村光夫が「千羽鶴」について講演。 | 『川端康成 詳細年譜』 |
2月 | 大岡昇平(43)、大磯町に転居。(44年7月まで) | 『大岡昇平全集』23巻年譜 |
6月27日 | 三島由紀夫(28)、箱根・強羅で「秘楽」擱筆。 | 『決定版 三島由紀夫全集』42巻年譜 |
7月26日 | 三島由紀夫(28)、「続・学校一日入学記」の取材で横須賀・久里浜の保安大学を訪問。 | 『決定版 三島由紀夫全集』42巻年譜 |
8月末 | 阿部昭(18)、藤沢市鵠沼字中岡(現・松が岡)に転居。 | 『阿部昭全集』14巻年譜 |
秋 | 里見弴(65)、鎌倉市扇ガ谷に転居。ここが終生の地となる。 | 『証言 里見弴』略年譜 |
9月 | 堀口大學(61)、葉山町堀内に転居。 | 『堀口大學全集』9巻年譜 |
10月20日 | 大岡昇平(44)、ロックフェラー財団給費生としてアメリカに留学、サンフランシスコに向け横浜港を出港。 | 『大岡昇平全集』23巻年譜 |
11月26日 | 三島由紀夫(28)、鎌倉・吉川逸治宅での鉢の木会に参加。 | 『決定版 三島由紀夫全集』42巻年譜 |
12月 | 永井龍男(49)、鎌倉市雪ノ下に新居が完成、終の棲家となる。 | 『評伝 永井龍男』略年譜 |
3月 | 立原正秋(28)、前年引っ越した武蔵野市関前から鎌倉市小町に戻る。 | 当館『立原正秋展』図録年譜 |
4月 | 立原正秋(28)、藤沢市の薬品会社のセールスマンを始める。 | 当館『立原正秋展』図録年譜 |
月日未詳 | 山本周五郎(51)、横浜市中区間門町の旅館「間門園」の別棟の独立家屋に移り、一人で暮らすようになる。 | 当館『没後50年 山本周五郎展』図録年譜 |
月日未詳 | 和田伝(54)、厚木町の老舗伊藤家の『伊藤展次郎小伝』を執筆。 | 『和田伝全集』10巻年譜 |
1月7日 | 三島由紀夫(29)、鎌倉・聴水居(神西清宅)での鉢の木会に参加。 | 『決定版 三島由紀夫全集』42巻年譜 |
5月5日 | 三島由紀夫(30)、横浜・獅子ヶ谷牡丹園へ行く。「牡丹」の材料となる。 | 『決定版 三島由紀夫全集』42巻年譜 |
7月15日 | 三島由紀夫(30)、鎌倉・神西清宅での鉢の木会に参加。 | 『決定版 三島由紀夫全集』42巻年譜 |
夏 | 大岡昇平(46)、大和市の相模カンツリークラブでゴルフ。その後、しばしば通う。 | 『大岡昇平全集』23巻年譜 |
11月10日 | 大岡昇平(46)、相模カンツリークラブでゴルフの後、鶴巻温泉・陣屋での村松梢風帰国歓迎碁会に参加、尾崎一雄と翌朝まで打つ。 | 『大岡昇平全集』23巻年譜 |
11月 | 和田伝(55)、神奈川文化賞受賞。 | 『和田伝全集』10巻年譜 |
晩秋 | 立原正秋(29)、鎌倉市大町の町内会の夜間警備員となる。 | 当館『立原正秋展』図録年譜 |