常設展「文学の森へ 神奈川と作家たち」
第1部 夏目漱石から萩原朔太郎まで

次回開催

日本がさまざまな矛盾を抱えながらも、欧米をモデルに急速に近代化していった明治維新から関東大震災まで――この時代を代表する夏目漱石から萩原朔太郎まで、14人の作家をとりあげます。

*企画展と同時開催の時には、展示しない作家・作品があります。

展示紹介(リーフレットより) *は当館所蔵資料

第1部 夏目漱石から萩原朔太郎まで リーフレット

作家と神奈川との主な関連事項、ゆかりの作品

作家名関連事項ゆかり作品
夏目漱石大学卒業後、鎌倉・円覚寺に参禅。作家生活に入った後も鎌倉にたびたび滞在。最晩年、湯河原に湯治療養。「夢十夜」「門」「彼岸過迄」「行人」「心」「明暗」
森 鴎外横浜港からドイツに留学。帰国後、後を追って来日したエリーゼ(「舞姫」のモデル)と横浜港で別れ帰国させる。横浜開港50年にあたり「横浜市歌」作詞。「青年」
北村透谷小田原出身。横浜で神奈川県会臨時書記、ホテルのボーイを勤め、三多摩(当時、神奈川県下)での自由民権運動を経て執筆活動に入る。国府津生活の翌年、自殺。小田原・高長寺に眠る。「三日幻境」「ヱマルソン」
島崎藤村横浜の雑貨店で働いた後、教師を勤めるが教え子との恋に苦悩し鎌倉などに滞在。最晩年、東小磯に疎開、同地で死去。大磯・地福寺に眠る。「春」「東方の門」
国木田独歩逗子で新婚生活を送るが、まもなく破局。のち鎌倉に1年間住む。療養先の茅ケ崎で死去。「欺かざるの記」「忘れえぬ人々」「湯ヶ原より」「鎌倉夫人」「病牀録」
与謝野晶子 鎌倉、湯河原、箱根などをたびたび訪れ、ゆかりの歌を数多く詠む。歌集『恋衣』『白桜集』
泉 鏡花療養のため逗子に2度居住。「春昼」「婦系図」「草迷宮」
武者小路実篤鎌倉、のち三浦半島金田で毎夏休みを過ごす。鵠沼で志賀直哉と「白樺」創刊を相談、のち同地に一時居住。「お目出たき人」「世間知らず」「その妹」「友情」
志賀直哉三、四十代、箱根の別荘にしばしば滞在。「大津順吉」「鵠沼行」「真鶴」「子供四題」「暗夜行路」
有島武郎父が横浜税関長に就任、横浜で幼少期を送り山手外国人居留地で学ぶ。のち父が鎌倉に隠退。平塚で病妻と死別。「かんかん虫」「或る女」
斎藤茂吉毎夏2カ月ほどを箱根の別荘で過ごす。歌集『あらたま』『寒雲』『暁紅』『ともしび』『つきかげ』、「柿本人麿」
高浜虚子鎌倉の虚子庵で後半生を送り自宅で死去。鎌倉・寿福寺に眠る。句集『五百句』『虚子秀句』、「柿二つ」「虹」
北原白秋三崎に仮寓、小田原に8年間居住。「城ヶ島の雨」、歌集『雲母集』、童謡集『トンボの眼玉』、詩集『水墨集』
萩原朔太郎鎌倉に静養し『月に吠える』を編集。恋人エレナ(洗礼名)が鎌倉で病没。結婚後、鎌倉に1年間居住。自筆歌集『ソライロノハナ』、詩集『月に吠える』『青猫』

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